Nitto ATPファイナルズ ラウンドロビン グループ・レイトン・ヒューイット 第3戦 錦織圭 vs D・ティエム
1st set
錦織はティームのセンターやバックに集めていた。
ストロークも深いショットが目立ち、フォアを修正してきていた。
しかし、ゲーム終盤になると、いいフォアハンドが2本続かない事が目立ち始めていた。
ティームは確率重視で、無理に強打をしないで、繋いでいた。
だから、簡単にポイントを失わなかった。
ティームは1stの確率が高いので、必然的にエース、フリーポイント、3球目攻撃が増えるが、錦織は1stが入らないので、ラリーになれば14vs14と互角だが、3球目以内攻撃がでないので、どうしようもなかった。
2nd set
2ゲーム目にティームの1stサーブが入らなかったので、ブレイクチャンスだった。
2ndサーブでもパワーがすごく、リターンミスが2本あった。
ラリー戦でも、このゲームだけではないが、ティームのストロークが深くコントロールされ、ラリー戦ではティエムがトータルで2本勝っていたが、そのうちの1本がこのゲーム。もう1本がブレイクされたゲームで、あった。
5ゲーム目で、錦織はフォアが悪いと考え、S&Vに変えたあたりはさすがであった。
今日はパッシングで3本も抜かれていたので、怖い決断ではあったと思う。
だが、次のサービスゲームでブレイクされてしまう。
錦織が深く打っても、ティームが崩れない。
そして、そこから、ティームは、パワーがあり、深さもあるショットを打ってくるので、錦織のミスが出てしまう。
錦織のミスは多かったが、ティエムによって引き出されたミスもあったので、ティエムを誉める部分もあってはいいのでは。
ティエムはサーブもフォアも良かったので、3球目攻撃が有効で、
それ以外でも、 バックハンドのパワーがすごく、ウィナー級のショットが2本あった。
今日はこのパターンで、やられたというよりは、錦織のミスが、やはり、多かった。
試合終盤ではバックハンドのミスも増えていた。
錦織は1stが入れば、楽にキープしていた。
確率こそ悪いが、ポイント確率は高かったので、1stサーブに関してはティームとそれほど、差がなかった。
2ndサーブの差が試合結果の差。
Nitto ATPファイナルズ ラウンドロビン グループ・レイトン・ヒューイット 第2戦 錦織圭 VS k・アンダーソン
前回の対戦
錦織圭 vs アンダーソン 0-2 (0-6, 1-6)
総評
ボールが合わないからだめだ、イヤ、ボールは関係ないなどの意見があるが、
今日はアンダーソンの1stの入った本数とポイント獲得率を考えれば、サービスゲームではノーチャンス。
錦織のサービスゲームでは、普段なら、アンダーソンが2ndサービスのリターンをミスしまくっていたが、この日はリターンもよく、ストロークもいいのでは、この結果は妥当なものである。アンダーソン自身が「ベストの出来だった」と、言っていたのは紛れもない事実なのである。
1st set
アンダーソンのサービスゲームは、過去の対戦と同様、何もさせてもらえない。
75%アンリターンドなので、しょうがない。
錦織のサービスゲームは、
2ゲーム目は、イージーミスが2本あったのが、痛かった。
4ゲーム目は、ブレイクされたので、S&Vを試みたが、ポイントが奪えない。
6ゲーム目は、アンダーソンの深いリターンや速いリターンが良かった。
そして、それ以上に、1stsetは、アンダーソンが、錦織の深いストロークにも耐え、そこから、最低でも浅いボールは打たず、深いボールが返るのもしばしばあった。
しっかりした体勢では、両サイドに錦織を走らせて、ポイントを奪っていた。
走らされてのフォアハンドも、もっと角度をつけたクロスショットで返してくる好調さが目立っていた。
2、6ゲーム目の合計ポイント数は、26ポイント。 4ゲーム目はS&Vでポイントを奪えていれば、デュースになっていたので、簡単にベーグルを焼かれた訳ではない。
2nd set
アンダーソンのサービスゲームはほとんど3球目以内攻撃で終わってしまう。
5ゲーム目にチャンスがあった。1stサーブをリターンエースし、ポイント奪取。
このゲームだけは、2ndサービスが多かったので(3/5)、フォアのアンフォースドエラーがなければ…。
ブレイクされた第2ゲームは、アンダーソンがラリー戦で今日当たりまくってる、走らされたファオハンドクロスのでウィナーを取られた後にS&Vでポイントを失ったのが痛かった。
第4ゲームではフォアの感覚が悪かったと本人が言っていたように、フォアのアンフォースドエラーがここでも出てしまった。
Nitto ATPファイナルズ ラウンドロビン グループ・レイトン・ヒューイット 第1戦 錦織圭 vs R. フェデラー
前回の対戦
錦織圭 vs R. フェデラー 0-2 (6-7 (4-7), 3-6)
総評
錦織だからラリーをしない作戦だったのかもしれないが、
しかし、お互いどちらに転んでもおかしくないような試合展開で、
お互いに、「このポイントは決めていれば」、というポイントで決めれなかったが、
たったの数ポイントしかなかったので、見応え充分だった。
錦織は、S&Vでの臨機応変な戦術や2ndset第5ゲーム15-30の場面でサービスエースを取り、流れを渡さなかった事が良かった。
お互いの1stサーブインでのポイント獲得率が高かった。
フェデラーは2ndサーブのリターンのミスが多すぎたが、最後にリターンを下がって、取られたいたので、何とも言い難い。
錦織はフォアのスピン量を増やして、フェデラーに高い所で打たせるのを心懸ていた。
1stset
フェデラーは1stが入らないが、2ndが深く、錦織のリターンミスが多かった。
1stの確率は低いが、1stのポイント確率が高い。
3球目以内攻撃や3球目攻撃からの展開が良い。
フェデラーは錦織の1stサーブの確率が低いのにも関わらず、2ndサーブのリターンのミスが多すぎた。特にバックハンド。回り込んで、フォアで叩くが、これもミスが多かった。
フォアで回り込んで、リターンが入らないと、何もできていなかった。
錦織は、8ゲーム目、ブレークされてもおかしくない内容だったが、バックで3本アンフォースドエラーをしてもらえたので、ブレイクされなかった。
錦織はサービスゲームの内容が悪く、その次のサービスゲームでS&Vに切り替えるあたりが、試合を見ていて面白かった。
タイブレークを取ったが、その前のフェデラーサービスゲームで、錦織が決めていれば、15-40でブレイクポイントを握っていたかもしれない場面もあったので、徐々に流れは錦織に来ていた。
第12ゲームの4ポイント目が、このセットの最大の山場だった。
さんざんリターンミスをしてきたフェデラーが、アドサイドで、2ndサーブでフォアに回り込んでの一撃で決まったと思ったが、錦織がスーパーキャッチでポイントを譲らない。
タイブレークでは、フェデラーの1stサーブでのポイント奪取をし、錦織がセットを取った。
フェデラーが錦織の浅いボールをフォアでネットに掛けていなければ、5-5になっていたかもしれなかった。
前日練習から、フォアの感覚が合わないことでフラストレーションを溜めていたらしい。
2ndset
このセットの勝負の分かれ目は、意外だが、3ゲーム目の7ポイント目だった。
またも、フェデラーはいい体勢で打てるフォアをジャストアウト。
その前のゲームでも、フォアのボレーミスが…。
今日の試合では、こういった「このポイント、いつものフェデラーだったら」と思わせるようなポイントが多かった。
錦織はフェデラーのバックハンドの高い所を狙っていたが、ポイントをそれほど獲得できなかった。
しかし、バック狙いが効いたのか、バックハンドのストレートが有効的だった。(もちろん、ミスもあったけど)
ブレイク後はお互い1stサーブが入れば、ポイントを獲得していた。
ブレイクゲームはフェデラーのボレーミス→2ndでポイント獲得→DF→2ndでポイント獲得。
特にこのゲームの最後のポイントはセンターに来るのを読んで、いいリターンだった。
ロレックス・パリ・マスターズ(フランス/パリ、室内ハード、ATP1000)準々決勝 QF (10) 錦織圭 vs (3) ロジャー・フェデラー
前回の2人の対戦
総評
錦織はデュース側のワイドサービスが良かった。
バックハンドのリターンミスはもったいなかった。
フェデラーは1stサーブが入った時の、3球目以内攻撃が良かった。
試合を通じて97%、ポイントが取れた。
第1セット
フェデラーはリターンを深くセンターに集めて、錦織のストロークを封じにきていた。
錦織にチャンスがあるとすれば、2ゲーム目。フェデラーのサービスゲーム。
デュースサイドで2度2ndサーブがあり、錦織の有利な展開になる所をフェデラーがポイントを取らせず、キープした。
錦織は5ゲーム目までの1stサーブの入りが悪く、フェデラーの深いリターンやストロークに耐えて、キープをしていた。
フェデラーのサービスゲームは、30-0からの展開になる事が多く、
錦織の半分の時間でキープしていた。
ブレークされたゲームは浅いボールの処理ミスがあり、そのポイントがブレイクされた原因に見えた。(普段ならドロップショットを打っていたのに。)
最終ゲームもフェデラーのサービス力に押され、1setdown。
錦織はネットプレーを意識して取り入れているように見える。
2ndset
1ゲーム目にブレイクされる。
錦織の1stサーブの確率が悪く、アド側のフェデラーのリターンが良かった。
2ゲーム目、ブレイク後のフェデラーのサービスゲームは、最初の2本2ndサーブになるが、2ndでもかなり厳しい所をつき、ポイントを奪った。
(フェデラーの速い展開にあせり、普段ならミスらない凡ミスもあった。)
しっかりした体勢で打てれば錦織だが、フェデラーが力強いストロークを打ち、錦織とラリーをしない。
3ゲーム目、ブレイクされたので、サービスの配球をボディ中心に変え、S&Vも1本あり、キープした。
4ゲーム目はデュース側の攻防が目まぐるしかった。
錦織が強めの2ndに対応する→ボディサーブで封じる。→錦織が強めの2ndに対応したボールをフェデラーがライジング→S&V×2
フェデラーの2ndサーブが多かったので、ここでブレイクできていたら錦織にもチャンスがあったかもしれない。
5ゲーム目になり、とうとう、フェデラーが1stサーブの確率を立て直し、ポイントを奪い、しっかりとキープした。
ここからは、お互いのサービスゲームを難なくキープして、フェデラーが勝利を収めた。
ただ、最終ゲームの最初の2本。
また、錦織のいいリターンにフェデラーがライジングフォアハンドでウィナー、次のポイントも錦織がやや焦り、ミスしてしまった。(相手がフェデラーということで。)
こういった何気ないポイントがフェデラーなどのビック4が勝ち続ける理由か。
ロレックス・パリ・マスターズ(フランス/パリ、室内ハード、ATP1000)3回戦 (10)錦織圭 vs (7)K・アンダーソン
前回の対戦
錦織圭 vs アンダーソン 2-0 (6-4, 6-4)
1st set
錦織はアンダーソンのサーブに7割アンリターンド、つまり返っていないので、
5回サービスゲームがあった中で、4回ラブゲームキープされた。
どうしようもなかった。
では、どうブレイクしたのかというと、
1ゲーム目のアンダーソンの1stサーブに対して錦織のリターンが深く、2ndサービス後のラリー戦でアンダーソンから甘いボールがきて、しっかりフォアでウィナーをとれた事が大きかった。
5ゲーム目に、アンダーソンが2ndサーブを回り込もうとしたが、回り込ませなかった。
それ以降、ボディサーブを多様した。(特にデュースサイドで)
7ゲーム目、1stの確率が悪いが(1/5)、ここをキープできたのが大きかった。
ラリー戦になれば、錦織の方がプレースメントがしっかりしていて、 バックのクロスもストレートもいいので、サービスキープをした。
深いボールを打てば、アンダーソンもラリーでポイントを奪えた。
錦織はワイドのスライスサーブがよかった。
2nd set
錦織はアンダーソンのサーブに対して、センターに来るボールの反応がいい。
ワイドは良くなかった。
1st setに続き、ラリー戦は錦織が支配していた。
5回以上続いたラリーでは錦織がポイントを取っていた(21/29)。
錦織はフォアをしっかり回転をかけてミスしないように気を付けていた。
フォアのウィナーが多く、アンフォースドエラーが少ない事が、
この試合のポイントになった。
そして、相手を振り回す戦略だった。
バックのダウンザラインを多用し、ウィーンの時みたく打ち合わなかった。
アンダーソンはアンフォースドエラーがもったいなかった。
最終ゲームで、センターに深く返していたら、
アンダーソンがポイントが取れ、最後もコードボールだったので、もしやと思わせる終わり方だった。